長い間サービスを続けていた無料ホームページスペースの「Yahoo!ジオシティーズ」が終了しました。2000年開始からだから19年も続いたサービスらしいです。

そこで多くの無料ホームページが失われて調べ物がつらいことについて調査検討してまとめてみました。 



「Yahoo!ジオシティーズ」が終了したことによって、色々と調べ物をする(ググる)ことに弊害が出ています。ちょっとした古い資料を辿ると大体が以下のようなメッセージが出てきてしまいます。


2019年3月31日をもちましてYahoo!ジオシティーズのサービス提供を終了いたしました。長らくご愛顧いただき誠にありがとうございました。


豊富な個人的にまとめたデータや資料を支えていたYahoo!ジオシティーズって・・


Yahoo!ジオシティーズとは


若い人には理解し難いですが、「Yahoo!ジオシティーズ」がサービス開始した2000年(平成12年)の頃は携帯電話(ガラケー、PHS)でインターネットや電子メールの普及がまだまだな感じで、やっとカメラ機能が付いたとか言ってる時代です。


しかもプレステ2が発売された年です。スマートフォンの日本で広く普及するのは約10年後になります。


パソコンでインターネットをするのも家の電話を通話しっぱなしにする必要があるので通話のない深夜とかに利用する感じでした。


そんな時代の「Yahoo!ジオシティーズ」は無料ホームページを制作する代表的なサービスでした。多くの人がこれを利用して自分の趣味や資料などをまとめたり公開するのに使っていました。


知らない人とコミュニケーションをとるのもツイッターやインスタもないのでこれらのサービスを使って掲示板を設置するなどしていたくらいです。


自分もホームページに使っていた


自分も「Yahoo!ジオシティーズ」を使って自作のデジ絵を展示した絵画系ホームページや、飼っていた熱帯魚の写真を載せたペット系ホームページを作ったりしてました。(随分前に撤退済みですけど。)


コンセプトは仮想の街?


「Yahoo!ジオシティーズ」のURLアドレス名には「仮想の街」というコンセプトがあり、各コミュニティーごとに街の名前が付いており、番地が割り振られていました。


http://www.geocities.co.jp/(街の名前)/(番地)/


例えば絵画系のホームページには「音楽・映画・芸術」の街として「ハリウッド (Hollywood)」が割り当てられます。


ペット系のホームページには「自己紹介・ペット・地域情報」の街として「ハートランド (Heartland)」が割り当てられます。


自分にはその街の名称がいかにもアメリカっぽくて馴染めませんでした。


9年前のインフォシークiswebの終了


話は逸れますが9年前の「インフォシークisweb」の終了って今回の件にとても似ています。サービスの期間的にはY!ジオとは比べられませんが。


しかし、2010年のインフォシーク楽天の無料ホームページ「iswebライト」サービス終了の影響もたまに見られる状態でもあり調べ物に困っていた中での「Yahoo!ジオシティーズ」のサービス終了影響は大きいと考えます。


インフォシーク iswebライト 終了のお知らせ



「iswebライト」は2010年10月31日をもってサービス提供を終了いたしました。長年ご愛顧いただきありがとうございました。


こちらのホームページも使っていた


自分も「Yahoo!ジオシティーズ」のホームページ移転先が「インフォシークisweb」でした。

この時はほとんど雑記ブログのような使い方だった記憶があります。(こちらも随分前に撤退済みですが)


なんとなく考察


この2つのサービス終了が与えた過去の資料が失われた状況には共通の理由があると考えています。


サービス開始から9年以上経過


サービスが長いということは当時書き込んでいたホームページユーザーが更新を止めている可能性があることです。そのためサービス終了に対応できていないのかもしれません。


  • Yahoo!ジオシティーズが2000年開始で2019年終了のおよそ19年間
  • インフォシーク楽天iswebが2001年開始で2010年終了のおよそ9年間

たとえばユーザーがホームページ開始時に20歳大学生だとしてもiswebで29歳の社会人くらいであり、Y!ジオだと39歳の社会人です。趣味や仕事や生活が変わっていてもおかしくありません。


通知から終了までの期間が短い


どちらのサービスも終了のお知らせからサービス終了までの期間が短いので、更新が長期間停滞していたり、事前通知があったとしてもメールの確認を怠っていたりすると対応は困難かもしれません。

  • Yahoo!ジオシティーズのサービス終了のお知らせが2018年10月初めで2019年3月末に終了のおよそ6ヶ月間
  • インフォシーク楽天iswebのサービス終了のお知らせが2010年8月末で2010年10月末に終了のおよそ2ヶ月間

iswebの終了まで2ヶ月間はどう考えても無慈悲ですが、6ヶ月ってのもちょっと仕事が忙しければ見逃してもおかしくない感じですし。


ヤフオクなど常に利用している人ならまだしも当時に取得したメールすら開いていない可能性は高いです。特にYahoo!メールはIMAP設定すると大量のYahoo!直下のダイレクトメールを送ってくるのでwebメール利用をおすすめしますけど。


どちらも開始がインターネット黎明期


前述していますが2000年のころは、インターネット黎明期でもあったので、昔使っていたISP(インターネットサービスプロバイダー)のメールアドレスが紛失している、無料アドレスだったが既にメールサーバーが閉鎖したため使えていないなど、サービス終了の連絡が見れていない可能性があります。

移転先候補がどれもブログ形式


事前にサービス終了に気づいたとして、Yahoo!ジオシティーズ同様のスペックを持ち合わせた無料スペースを探してみると、2019年の時点でのYahoo!同様の検索やユーザコミュニティを所有する無料スペースはブログ形式となっています。
国内大手でホームページ形式を採用しているところはあるのでしょうか?って感じです。

自由にレイアウト可能なホームページ形式をブログ形式に直すには多くの時間をとられてしまいますし、ブログ形式は単純にアップロードしてはい終了とはいきません。

ブログ形式の独自UIについても慣れる必要があり「もう内容も古いし・・」とか考えて移転作業を断念しているかもしれません。

Webアーカイブの検索


個人のホームページ閉鎖にて閲覧できないことが分かったあとでも、そのホームページを支持している人がいる場合には、Webアーカイブや魚拓化されているケースがあります。

以下のサービスにて確認すると過去の記録を確認できるかもしれません。

ウェイバックマシーン



気になったWebページを記録したり、記録されているWebページを過去にさかのぼって閲覧することが出来る海外のサービスです(1996年から記録、2001に公開開始)
データとして記録しているのでリンクをたどること(リンク先が記録されていれば)やダウンロードファイルを取り出すことも出来ます(外部リンクを除く)

見たいページのURLを「Wayback Machine」に入力することで、過去のどの時期の記録を見るかを選択することが出来ます。Yahoo!ジオシティーズの記録もいくつか見つけることが出来ています。

ただし「Webページが保存されていること」が条件であるため、誰かが救って(記録して)くれていることが条件となります。マイナーなページや有益と感じないページであれば保存が一切なかったりします。作者自身がマメに記録している場合もあります。

閉鎖されている場合には、こちらに記録されているか確認しても良いかもしれません。

また気になったWebページ、閉鎖されそうなWebサイト、削除・閲覧禁止にされそうな内容の記事などがあれば「Save Page Now」に入力して記録すると役に立つ日があるかもしれません。ただし、古いサービスでもあるため最新のWebページスクリプトなどには対応していないものもありそうです。

ウェブ魚拓



こちらもウェイバックマシーンと同様にWebページの記録ができる日本のサービスです。
日本の比較的新しいサービス(2006年)なので、記録されているものは日本語のWebページ情報がほとんどです。またゴシップなどの記録が主となっているので、Yahoo!ジオシティーズの記録を見つけるのは困難かもしれません。

「魚拓をURLで検索・取得」にURLを入力することで過去の記録があるか、無ければ現在のページを保存するかを選択することが出来ます。
データとして記録しているのですが、ウェイバックマシーンほど記録をさかのぼれません。

「魚拓をフリーワードで検索」を利用することで Google検索で探すことが出来るようですが、うまく検索できない感じがします。
「過去の魚拓一覧」も見ることが出来ますが、検索機能がないので必要なページを探すのは困難かもしれません。

まとめ


サービス終了によって未だに古いリンクや過去の文章が検索に引っかかっている現状ですが、9年前のiswebのリンクやメッセージは検索でほとんど拾わなくなっています。

Yahoo!ジオシティーズも9年経てば同じ様に追跡できなくなると思います。



作成日:2019/5/31

更新日: