屋号・雅号を登録してからずっともやもやしてたので、昨年の確定申告提出を機に屋号(社名)変更しました。
その際に色々と屋号や雅号やペンネームについて調査や検討を行った内容について、まとめてみました。


屋号・雅号を変えたきっかけ


まあ、タイミングはいつでも良かったのですが、確定申告書類の「屋号・雅号」の欄の記入がどうも気になってしまい、この際だからと思って再検討したのです。

平成29年(2017年)に事業の開設(開業)をした際の屋号・雅号の記入については活動形態からして本名より屋号・雅号を使いたかったので、

散々検討したあげく、旧名称であった「ACKNOP」になっているのですが、 書類提出してから屋号・雅号の変更について色々と考えることが多くて実は3年もモヤモヤし続けていました。

  1. そもそも「ACKNOP」はデザインブランド名だったこと
  2. 美術系での屋号・雅号とは、作家の活動名、別名、ペンネームの意味が強いこと
  3. 屋号の意味合いとしても事業内容(美術・デザイン業)が理解できないこと


ブランド名から屋号への昇格


1.のブランド名=屋号については、自分の活動自体が会社というより個人であることから、作家名=「ACKNOP」ではなく、商業名=「ACKNOP」の作家〇〇である、というのが普通であるという結論は出ていました。
しかし自分的にはこの名称って屋号(社名)なの?雅号(個人名)なの?というような曖昧な感じになってしまったのです。

これは昨今のSNSのID名やハンドルネームをそのまま雅号(活動名・ペンネーム)としてしまう人や、フリーランスが増加していることも関係しています。
そのため私のような業種や職業形態では「ACKNOP」=ペンネーム(雅号)と思われる可能性が高いです。

このことは名刺を作ろうとしたときや特にショップ運営やSNS上では理解しづらく毎回説明を加える(ペンネームではなく屋号であることを伝える)のも困難でした。そもそも説明が必要な名前ってどうなんだと。

美術系の雅号は主に作家名やペンネーム?


2.の業種によっては屋号や雅号どちらかの意味合いが強くなるについては、国税庁の「よくある質問」の通りでして

屋号(又は雅号)とは、個人事業者の方が使用する商業上の名のことです。よって、個人事業者の方においては、商店名等を入力してください。

雅号とは、著述家、画家、書家、芸能関係者などが本名以外につける別名のことです。


美術系で個人と考えると「雅号」なのですが、1)で説明したとおり「ACKNOP」はもともとデザインブランド名であるので現在の業務内容からすると「雅号」より「屋号」のほうが汎用性が高そうです。


しかし、最近では前述したとおり SNS上のハンドル名やペンネームをそのまま雅号とする人もいるので、やはり「ACKNOP」は別名だよね?と捉えられるので説明が必要になってしまいます。

屋号=職種や事業内容


3.の名称から業種がイメージできないについては、明らかにオサレな企業であれば通用しそうですが、この名称が何かを連想させる言葉の組み合わせでもなく、〇〇商店、〇〇工房のような個人を表しているわけでもないので、こちらも説明を加えるのが困難でした。

まあ、「ACKNOP」の名称は過去に制作していたデザインのコンセプト(詳細を説明するのは割愛します)が入っており、それが現在の事業内容に全く関係ないので、屋号にしたところで違和感があって当たり前なんですよね。
ほんと起業でバタバタしてた時に勢いで付けただけなんですよ・・


結局・・


名称は「ACKNOP」から「ENOARTS」になりました。

(追記)
ネット上での重複チェックでいくつかあり気になってしまったので
さらに「ENOARTS」から「enoanoarts」に変更しました。

屋号・雅号の変更方法


変更する際に税務署に提出する「屋号・雅号変更届」というものは存在しません。
基本的には、期末処理後に提出する申告の書類の「屋号・雅号」欄への記載と修正のみとなります。
ですので、書類的には年末に変更し翌年反映となりますが、名称変更自体は好きなタイミングに何度変更しても問題ありません。
ただし色々な場所に屋号・雅号に関連したものを通知している場合には書類とは別にそれらの変更も必要となります。

(追記)
書類提出後、税務署が確認修正しますので、次からくる郵便の屋号・雅号名は変更されます。
今回「ENOARTS」で屋号変更し青色申告した後、数カ月後には「enoanoarts」で運用しています。屋号変更は翌年に提出しましたが、2年連続の変更でも対応して頂けました。

青色申告の場合であれば、以下のようになります。
・確定申告書B(第一表)の「屋号・雅号」欄への新名称の記入
・確定申告書B(第二表)の「屋号」欄に記載されている名称を二重線で消して訂正印を押した後(訂正印は令和3年分より不要)新名称の記入
・青色申告決算書の「屋号」欄への新名称の記入(提出用と一般用どちらも)

他の業務関係の名称変更については、各取引相手先への通知やWebサイト登録情報の変更(プロフィール変更)を行います。
必要に応じて、Webサイトやメール、広告、名刺などの記載変更も必要となります。

変更が困難なもの


申告書類によって正式な屋号・雅号のへ変更までは出来ますが、その他で変更が困難なもの、手続きが必要なものについては以下のものがあります。
ネットに関連するものは、サブドメインなどアドレスと関連付けられているもの、アカウントIDが一意なものは変更しにくい傾向があります。

・屋号・雅号を住所・連絡先などで申請書類を提出しているもの(宅配便や郵送などの宛名に使われているもの)

・屋号・雅号で登録した場合の銀行口座名(振込先などの取引名称。実名登録なら問題なし)

・Gmail、Yahoo!メール、Outlook、iCloudなどのメールアカウント名(新規登録が必要、移行完了(旧アドレスに全く関連メールが届かなくなる)まで二重所有する必要がある)

・LINE ID、クリエーター名(そもそもクリエーター機能には事業名アカウントの概念(個人アカウントとの区別)がない?)

・Webスペース、ホームページ、ブログ、ストレージなどのアカウント名がサブドメイン名になっている場合(新規登録が必要)

・販売サイト、作家コミュニティなどのサブドメイン名と連携するアカウントID(再登録は実績が引き継げないので変更は無理)

・一部のSNSアカウントID(Twitter、instagram、pinterestはOK。基本的には設定で変更できる)

・レンタルドメインやレンタルサーバー契約込みのドメイン名(実績があるので移転完了まで二重所有する必要がある、最悪な場合一時解約も)

シンプル屋号


で、今回はシンプルに活動名である「enoa」(まあenoaも複数ある活動名の一つに過ぎませんが・・)に美術の意味に近い英語でもある「arts」をくっつけてみました。

単純に「名前」+「事業内容」としたわけです。山田+酒店とかみたいな感じです。


これによって、前述した3つの問題点が解消されています。

・「arts」とあることで、屋号のイメージが強くなっている。SNS系のペンネームとも区別化されている(はず)

・「enoa」があることで、雅号(作家名)も兼ねており説明がしやすい

・「arts」によってアート関連であることまでは理解しやすい。ただし、アート(アーティスト)の概念は幅が広いため、絵画や美術に限定することは出来ていない。デザイン系業種であることも含まれていない。


屋号に工房とかスタジオって・・


まあ、アートデザイン系あるあるな「〇〇工房」とか「スタジオ〇〇」「〇〇ラボ」ってのも考えましたけど、複数人で使える教室や制作の作業場でも開いてるならまだしも個人でそれは重いな・・と思ってやめました。

確かにあるんです。個人で人間発電所的な「自分は物を生み出す工房のようなものだ」って感じで屋号つけている方とか。。悪くはないのですが、ねえ?

雅号・ペンネームについて


あと雅号(別名・ペンネーム)というのも考えましたが、本名と雅号の使い分けってイマイチ理解していないんです。

本名と違うと事務・業務的なことで困るかも・・


役所など正式な書類関係は本名で、業務に関係する顧客には雅号・ペンネームを使い分けるのは分かるんですけど、郵便や宅配便なんかは宛先にどっちも使うことになるだろうし。

「〇〇住所の〇〇(雅号・ペンネーム)さまで間違いありませんか?」って聞かれるのは本人受け取りだけにしたいですよね。。

まあ屋号に活動名つけたことで雅号・ペンネームはやめましたけど。

もう少し検討しても良かったのですが、提出時間もなかったんでささっと書いちゃいました。

まあまたモヤモヤしなければ良いのですが。。



作成日:2020/03/14
更新日:2021/03/27