フリー素材などのライセンスについてまとめ
デザインやアプリやゲームの制作、ブログの記事画像などにおいて利用することがある無料素材(フリー素材)、無料フォント(フリーフォント)などのライセンスについて色々な種類があることと、利用するにあたってすべきことや注意点について調べてみた結果をまとめてみました。
フリー素材について
インターネット上には効率的に制作を行うための素材が色々とあります。
- イラストや写真などの画像素材・・・ブログ記事、デザイン・画像編集など
- 音楽や効果音などのデータ素材・・・アプリ・ゲーム開発など
- 文字やロゴなどのフォント素材・・・デザイン・画像編集、アプリ・ゲーム開発など
- アイコンなどのデータ素材・・・デザイン・画像編集、アプリ・ゲーム開発など
- プログラムやアルゴリズムなどのデータ素材・・・アプリ・ゲーム開発など
- 資料や文献や書籍などのデータ素材・・論文・レポート作成など
著作権切れによるPD化
最近では有名作家や小説家、画家、音楽家、アーティストなどの著作権の期限失効による有名な作品などもパブリックドメイン(PD)の素材として利用できるようになりました。
ただし、画像や音楽データにはそれの制作者に著作権が発生する場合があります。
- 作家、小説家の文章データ
- 画家、アーティストの絵画の撮影画像データ
- 音楽家、作曲家の楽譜、音楽データ
ライセンスについて
フリー素材と言ってもどんなことをしても良いというわけではなく、必ずライセンスについての説明があります。
パブリックドメイン(PD)
パブリックドメイン提供(PDまたはPublic Domain Dedication)は著作権がないものや、著作物に対するすべての権利を放棄しているものを示しています。
クリエイティブ・コモンズではCC0 1.0 ユニバーサル(CC0またはCC0 1.0 Universal)とも呼ばれます。
最も自由度が高い形式で、特に公開時にクレジットを付けたりライセンス情報を添付することもありません。
著作権がないものには、丸や三角や四角などの単純な図形のようなオリジナリティのないものは権利などの対象に含まれないため、すべてパブリックドメインに該当します。
例えば丸や点や線で構成される棒人間などは、著作権を主張しても上記に該当するため自由に使うことが出来ます。
ただし同じような絵を描くなどではなく、他の著作者がデータ化したものを利用する場合についてはその範疇ではありません。
出来ること
出来ないこと
・現存のままでの著作権の主張
・著作者への保証と責任
オープンソース
ギットハブ(GitHub)などでよく見かけるフリーなソースコード。主なものでは、MITライセンス(MITや X11 Licenseなどとも呼ばれる)、GNU 一般公衆利用許諾(GPLまたはGNUGPL - GNU General Public Licenseとも呼ばれる)があります。著作権を放棄しているわけではないのでテキストファイルなどでライセンスや著作権表示を添付する必要があります。特にGPLを利用した改良物についてはGPLライセンスが継承されるので使い勝手が悪いことがあります。
MIT License
利用条件
・ライセンスや著作権表示をソフトウェアに含めること
出来ること
出来ないこと
・著作者への保証と責任
GNU General Public License
GNU General Public License - Wikipedia
利用条件
・ライセンスや著作権表示をソフトウェアに含めること
・改良した場合には改良した内容をドキュメント化して公開すること
出来ること
出来ないこと
・著作者への保証と責任
・改良したソースを閉鎖的な環境などで配布すること。改良したものもGPLに準拠させる必要がある
クリエイティブ・コモンズ(CC)
基本的にCC0以外は、BY(Attribution)が付くとライセンス表記が必須であり BYに続けて文字が追加されると商用利用不可や同一ライセンスになるなどかなりの制約が付くと覚えて構いません。
特にCC BY-NDについては素材としての利用もできません。
※文字が付加されるもの(NC・ND・SA)については必ずBYが付きます。
※ND(改変不可)とSA(改変前提のライセンス継承)は組み合わせることは出来ません。
CC0
PD(パブリックドメイン)や PDM(パブリックドメインマーク)とも呼ばれており、一番自由度が高くライセンス表記も不要となります。
素材利用した制作物はライセンス表記の義務もなく商用利用することが出来ます。
CC表示(BY)
CC BYや CC Attributionとも呼ばれており、ライセンスの表記を行うことで自由に使えます。
表示を行うことで素材利用した制作物は商用利用することも可能となります。
CC表示-非営利(BY-NC)
CC BY-NCや CC Attribution-Noncommercialとも呼ばれており、CC表示にさらに商用利用をしなければ自由に使えます。
商用利用が出来ないため素材として利用した制作物については、公開時した場合にはフリー配布物とすることになりますので注意が必要です。
CC表示-改変禁止(BY-ND)
CC BY-NDや CC Attribution-No Derivative Worksとも呼ばれており、すべての改変を禁止しているので、主に作者のコマーシャル的な戦略の一つとして用いられることが多く、完成された音楽や書籍などの無料配布や拡散手法に使われます。
CC BY-NC-NDという商業利用禁止(NC)が普通であり、フリー配布で商用可能となればCC BY-NDのデータ配布でメディア化したときなどくらいしか想定できません。
このような利用方法となるため、素材としての利用は全くできません。
CC表示-継承(BY-SA)
CC BY-SAや CC Attribution-ShareAlikeとも呼ばれており、これを利用した制作物にはCC BY-SAのライセンスとなるため、公開する場合にはライセンス付きのフリー配布物とするしかなくなります。
CC BY-NC-SAもありますが、このライセンスが付いている時点で商用利用には不向きな感じがします。
オープンフォントライセンス(OFL)
フリーフォントで採用されているライセンスです。個人や商用での利用ができます。
著作権は引き継がれるので、著作権やライセンスの表示が必要になります。
アプリに組み込む場合には、画面に表示できなくても関連する場所やマニュアル等に表示することでも可能です。
日本独自のもの
NYSL
Nirunari Yakunari Sukinishiro License(煮るなり焼くなり好きにしろライセンス)と呼ばれるものです。
特記事項付きのもの
フリー素材によっては、利用方法に特殊な制限がついているものがあります。フォントやベクタデータなど複製が可能なデータ素材にはこのようなケースがあります。
場合によっては有償扱いとなることがあるので公式サイトなどがあれば一度は利用方法についてなど探すことをおすすめします。
- 改変なくそのままのデータや画像を販売すること(データ集、画集などにしてもNG)
- データそのものを改変データとして配布すること(画像化したものはOKなど)
- データ抽出可能な制作物でデータを組み込んだもの(フォントの生データを組み込んだものなど)
- 公序良俗に反する目的での利用、アダルト関連の利用を禁止しているもの(イラストや写真素材など利用されることで作者の印象を悪くするものなど)
- 会社のロゴなどに利用するなど公的に登録されて使われるもの
ライセンスの表記方法
ライセンスや著作権表記が必要なものについての表記する方法は以下の手段があります。
制作物に記載する
通常ライセンス著作権の表記と言えばこの方法が主流です。
- 画像など記入する場所がある時は、直接ライセンスを書き込む
- アプリケーションなどは、トップ画面やクレジット画面などを利用して表示する
- 書籍などはあとがきなどに明記する
- ソースコードの場合には、テキストファイルなどを利用して添付する
などがあります。
ただし、制作物によっては文字の記述によって見た目が良くないことや外観を損ねることがあります。
URLなどのリンクを付けることが条件にある場合には文字情報が多くなることがあります。
公式サイトに表記する
制作物に書き込むことが出来ない場合には、作者のサイトなどを準備して制作物にて利用している素材についての情報を明記することができます。
ただし、制作物から作者のサイトまで誘導されること(制作物へのリンクの記載や検索サイトを使ってたどれるなど)が条件となります。
- 作者のサイトのリンク(URL)を記載する
- トップ画面、クレジット画面にリンクを追加する
作成日:2021/05/20
更新日:
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